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ナムジャイブログ

2016年04月21日

と答えればよいの

錦糸町で、スーツ姿の四人組が乗ってきた。 男二人女二人で、酒を飲んでいるらしく騒がしかった。 「ミレニアムしゃせい」という言葉が聞こえてきた。 そんな彼らを見ながら、僕はぼんやり就職活動の面接のことを考えていた。

「尊敬する人は誰ですか?」 と訊かれたらどう答えようか。 中学生の頃、朝のニュース番組「おはようテレワッサン(東海地方限定)」で、「両親です」と答えるのはマイナスだとアナウンサーが言っていたことを、何故か覚えているのだけれど、そんなものなのだろうか。 僕は、「自分の父親です」と言う以外に答えようがない。 僕は父親を尊敬しているし、そのほかの誰をも尊敬していない。 すごいなぁ、と思える人はたくさんしているけれど、「尊敬」というまでいかないのだ。 僕の中で尊敬する人とは、そのような人になりたい対象、目標となる人だ。 そうなると僕の場合、父親以外の答えはない。
と答えればよいの

もちろん面接官はそんなことまで訊いていないのだろう。 「あなたがすごいと思う人は誰ですか?」という質問と同じ意味で訊いているのだろう。 だったら「僕が尊敬する人は坂本竜馬です。彼の先見の明と、型にとらわれない行動力に惹かれます」だろう。 でもそれでは嘘になってしまう。 僕は尊敬の定義を変えたくない。 「両親以外に尊敬する人を教えてください」と訊かれたら、僕は黙り込んでしまうだろう。 うまくその質問をかわせないに違いない。 それに比べて「ミレニアムしゃせい」の男は、「私が尊敬するのはゴルバチョフです」とすんなり答えるに違いない。きっとそうだ。そうにちがいない。 その後彼は、眼鏡を5ミリほど指で押し上げてから、もっともらしい、こじつけ話をするのだ。

妄想がそこまで進んだ時、やっと僕は虚しくなった。 隣に座っている学生風の女の子のバッグには、本屋のカバーがついた本と、メガネケースと、財布と、何故か3個入りのヨーグルトのパックが入っていた。



Posted by Lazy Bird at 12:31│Comments(0)
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